10月7・8日と議員行政視察で宮城県多賀城市と埼玉県戸田市を訪れた。
【多賀城市】
多賀城市視察の目的は東日本大震災の復興状況を視察することであった。
多賀城市は市域の3分の1が津波によって浸水し、188名(市民97名、市民以外91名)の方が亡くなられている。
三年前の議員視察でも東北は訪れているが、車窓から見る景色はその時と全く違い、災害の爪痕はほとんど感じられず、復興が進んでいることが感じられた。
多賀城市役所での説明や資料からもそれが裏付けられたが、説明の中で「外観的には復旧が進んだが、中身の復興がまだ途上である」との説明があり、形に表れない様々なご苦労があることが推察できた。その1つに震災前に市内で稼働していた大手企業4社が震災後、撤退してしまい、市の税収が減ってしまったことがあるようだ。
現在、企業誘致に奔走しておられるようだが、本村も他人事ではない。飛島村には大きな工業地帯があり、日々多くの企業が生産活動をおこなっている。企業が安心して安定した企業活動ができる環境づくりをしていくことが行政に求められると思う。
地勢的に本村は災害リスクが高い自治体である。港があり、臨海部に工業地帯があり、国道も3方向に走っており通過交通も多い。多賀城市と飛島村は類似点が多いことがわかった。
「明日は我が身」と捉え、今回の多賀城市の視察を議員活動に活かしていきたい。
【戸田市】
戸田市の視察は「自治基本条例の制定について」という行政に関わっていない人には馴染みのないテーマだと思うが、運用の仕方次第では自治体が活性化する指針となる条例だと思う。つまり、自分たちのまちをより暮らしやすくするためのルールと仕組みといったところ。
それを市民と議会と行政が協働でつくっていこうというところに意義があると同時に難しさもともなうと思う。1つの自治体にはいろんな住民がいて考え方も多種多様である。
それを意見集約し、条例化することは至難の業と言える。それを戸田市は平成24年度から取り組み、今年7月に制定・施行されたという。その熱意と労苦に敬意を表したい。
また、テーマ外ではあったが個人的に興味深い資料が配布されていたので質問してみた。
それは「河川監視システム」だ。市内河川に監視カメラを設置し、災害対策の拠点となる市役所から水位や水流の勢いを常時監視できるシステムである。その映像を市のホームページで公開し市民も常時閲覧できる環境を整備する予定とのこと。
私はまさにこのシステムを飛島村に導入し、村内の日光川とその堤防、そして村内の要所となる道路や橋に監視カメラを設置することで災害時に活用するように今年の6月議会一般質問で提案した。
戸田市は平成26年度と27年度の二年間で整備する予定になっている。本村も先進地戸田市と情報交換しながら早い段階で整備することを求めていきたい。